第2回 熱供給事業あり方・特別委員会議事要旨

第2回 熱供給事業あり方・特別委員会議事要旨

1.日時

平成15年5月22日(木)15:00~17:00

2.場所

虎ノ門パストラル「マグノリア」の間

3.出席者

委員

藤原委員長、高橋副委員長、鳥居委員、佐土原委員、下田委員、渡辺委員、茅野委員、
大野委員、立田委員(原口委員代理)、安田委員、江藤委員、(廣瀬委員は欠席)

オブザーバー
(経済産業省) 都築課長補佐、二宮課長補佐(本多室長代理)、田中課長補佐、
岩切課長補佐
(国土交通省) 吉田課長補佐(笠原企画専門官代理)
(地方公共団体) 佐野課長(東京都)、渡辺課長(名古屋市)、浅野課長(札幌市)
事務局

小西、小久保、内山、勢子、和田、長屋、田中、山本、足立、平尾、大澤、福島、青笹

4.議事

  1. 第1回特別委員会の議事要旨(案)の確認
  2. 第1回特別委員会委員の意見及び措置(案)について
    事務局より、各委員から前回出された意見の要約と、今後の検討スケジュールなどの措置(案)を説明し、了承された。
  3. 第2回特別委員会の検討内容とスケジュールの確認
    事務局より、本日の検討内容の確認と、全体スケジュールでの位置づけについて説明。
  4. 配付資料の説明
    事務局より、都市のエネルギー供給システムと地域冷暖房事業について資料を説明。
  5. 質疑応答、討議
    • 各地点の削減効果等は、根拠や基準が問題となるので、統一した数値とすべきである。
    • 地域冷暖房は技術開発やエネルギー管理等の側面で、これまでは建築設備関連で先導的な役割を果たしてきた。これからもこうした役割を担えるのかどうかも考えて欲しい。
    • 今後の都市開発は民間が主体となり、整備主体の考え方が変わりつつあるので、都市再生等とあわせて記述しておいた方がよい。
    • 資料全体のまとめ方が事業者側からの視点のみであるため、受け手(需要家)側からの考え方の整理も必要である。また、バブル時にはスペースメリットが高く評価されたが、今後はそれに変わる需要家へのインセンティブが必要である。
    • 最近のエネルギー自由化のキーワードには「需要家の選択」が入っている。既存需要家にとって熱供給がどのように評価されているのか、今後の需要家開拓にはどのような視点が必要なのかなどは、今後の検討課題である。
    • 都市全般で地域冷暖房が必須のシステムであるとの記述は誤解を招く。都市のなかでも限定的に需要密度の高いところ、 未利用エネルギー があるところなど、地域特性を明確にした表現とすべきである。
    • 都市のエネルギー供給形態は、電力・ガスとの比較よりも、熱エネルギーの供給形態として、電力やガスによる個別、熱供給による集中化との整理の方がよい。
    • 都市のエネルギー供給システムに求められる要件は、区分けがわかりにくい部分もあるので、背景等の説明を記述した方がよい。また、地域冷暖房の社会的効用を環境政策とエネルギー政策で書き分ける必要はないのではないか。
    • オーダーメイドのシステムで、供給者と需要家が緊密であると、互いを縛ってしまい、システムが進化するのは難しい側面も多々ある。可能性として高いのは事実であるが、その可能性を実現するには、様々な工夫、その制度その他の環境整備が必要となる。
    • 地冷関係者にはわかり易い資料としてまとまっているが、未関係の人々、よく知らない人々を巻き込んで制度にしていくには、説得力が欠けている。また、現在は地域冷暖房を社会資本として位置づけるべきとの合意には達していない。
    • 都市問題、環境問題、エネルギー問題を解決する方法は地域冷暖房のみではないなかで、全てを地域冷暖房で解決できる訳ではないが、地域冷暖房が都市やエネルギー問題の中核的な部分を担うものだと、納得できるような説明が必要である。例えば外部効果を内部化していく仕組みなど、制度、仕組みなどが一緒でないと解決できない点をわかり易く説明し、具備すべき条件もあわせて整理することが必要である。
    • 地方都市は首都圏に比べて密度が低く、あまり高密度化を前提として論述は避けるべきである。地方都市でも 未利用エネルギー 活用やカスケード利用は都市問題として追求すべきであり、そのなかで地域冷暖房を成立させるには地域 配管 コストの負担、都市計画への位置づけなどが今後の検討課題である。
    • 地域冷暖房の効用、重要性等が一般に認められていないために、地域冷暖房が普及促進しない。ビルの冷暖房では代替手法がたくさんあり、それをあえて集約して地域冷暖房にすべきだとの点を原点に立ち返って詰めておく必要がある。
    • これまでに地域冷暖房の推進を支援してきた主体(例えば、自治体、ディベロッパー、建物所有者の集まりなど)が、現在、地域冷暖房をどのように評価しているのかを率直に聞いてはどうか。
    • 都市基盤公団の役割や社会状況も変化しており、パイロット事業として地域冷暖房を支えることは難しい状況にある。これまでの枠組みで議論を進めるのではなく、これからの都市開発は民間主体で進めるべきとの基調にある点を理解して、議論した方がよい。
    • 東京都の条例制定当初は、明確に大気汚染対策として位置づけがあり、行政は社会的使命として地域冷暖房を導入して欲しいとの立場で指導してきた。現在は、地域冷暖房が成立するか否かは検討してもらうが、事業化は民間で検討してもらい、環境行政では環境問題への対応、環境水準を指導していくとの立場に変化している。
    • 現在、省エネルギー、地球温暖化対策の観点でみると、地域冷暖房は一つの手法であるが、代替手法もあり、行政が民間の選択の幅を狭めることはない。
    • 今までの形での地域冷暖房が今後とも有効なのかとの視点から、他のシステムとの関係も含めた分析があるとよい。また、都市の環境問題も含めて社会から要請される仕組みづくりを検討し、明確にしていくべきであり、都市として必須のシステムとして都市施設の中に位置づけとの結論は尚早ではないか。
    • 札幌市では、独自に熱供給事業の都市でのあり方を産官学で検討した経緯がある。現在は、その結論にそった形として、エネルギー事業者を主体とした民間主導での事業推進、熱事業者の一元化などの方向で進めている。 導管 コストを含めた経営的な問題に自治体が全面的に支援するような状況にはない。
    • 地域冷暖房の社会的効用のうち、「地域への波及効果」は内容がはっきりとしない。住宅への熱供給では、技術開発面では先導的で他への影響も考えられるが、汎用化との点では問題意識もある。一般消費者、住民が多数にまとまった地域での省エネルギーとの方向から考えていくことも必要である
    • 地域冷暖房がなぜ必要なのかとの点は、営業時に需要家から必ず質問され、事業者はそれぞれに回答してきている。例えば、ごみ排熱の有効活用、大型のコージェネにおける電力と熱のバランスを整えるなど、地域冷暖房の必然性は整理できる。必然性のある部分とない部分など、シビアにみて工夫した整理をして欲しい。
    • 本日の資料は、全体的に地域冷暖房のメリットが前面を議論が展開されているので、どの位説得力があるかとの点では疑問があると指摘された。例えば、 未利用エネルギー もそれぞれがどのような条件であれば活用できるのか、今後ハイブリット化を検討する上でその組み合わせ等についての評価、熱供給以外との総合評価などを追加することでより説得力のあるものになる。
    • オーダーメイドのシステムでは、一旦狭い区域でシステムができあがると弾力性や融通性がきかなくなる面もあり、需要家の一部脱落、隣接のビルが個別となるなどの問題もでてくる。より客観性を持たせていくために、熱供給の良い点・悪い点、また熱供給のやり方ごとの良い点・悪い点など、細かな議論を追加していけば説得力もあがっていく
    • 各委員から様々な意見がだされたので、本日の資料もより良いものに改訂して欲しい。
    • 第3回委員会は7月10日(木)14:00~16:00の予定。

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