第4回 熱供給事業あり方・特別委員会議事要旨

第4回 熱供給事業あり方・特別委員会議事要旨

1.日時

平成15年9月2日(火)14:00~16:00

2.場所

虎ノ門パストラル「マグノリア」の間

3.出席者

委員

藤原委員長、高橋副委員長、鳥居委員、佐土原委員、下田委員、福田委員、
大野委員、原口委員、市毛委員、安田委員、渡辺委員、江藤委員

オブザーバー
(経済産業省) 都築課長補佐、二宮課長補佐(立田室長代理)、岩切課長補佐、
(田中課長補佐は欠席)
(国土交通省) 徳永専門官
(地方公共団体) 佐野課長(東京都)、浅野課長(札幌市)、(渡辺課長は欠席)
事務局

小西、小久保、米澤、両角、勢子、和田、長屋、田中、山本、足立、平尾

4.議事概要

  1. 第3回特別委員会の議事要旨(案)の確認
  2. 第3回特別委員会のご指摘事項と今回の整理(案)
    事務局より、各委員から前回委員会で出された意見や指摘事項と、今回の資料への反映等の整理について説明。委員より、都市機能の向上に関して「火を使わないので安全」との記述は不適切なので、修正されたいとの意見が出された。
  3. 第4回特別委員会の検討内容とスケジュールの確認

    事務局より、第4回委員会の検討内容は、地域冷暖房事業のあり方と一部施策体系のあり方を含んでいる点を説明。また、最終答申のとりまとめにあたり、委員会の追加開催が必要かどうかもご検討いただきたい旨を説明。
  4. 配付資料の説明
    事務局より、資料5「今後の地域冷暖房事業のあり方について」を説明。
  5. 委員からのご意見、指摘事項
    <全体的な流れについて>
    • これから作る地冷は、地冷に特有のハード( 未利用エネルギーコージェネレーション など)を付け加えたものを中心とするなど、ある種の差をつけた方がよいのではないか。
    • 今後、コンピューター関係では冷房が重要となり、地震国のわが国ではエネルギー供給の信頼性も重要となるため、エネルギーセキュリティの視点も盛り込んだ方がよい。
    • 本日の資料にまとめられているあり方では、都市計画の本来的な目的とは異なるため、都市計画のマスタープランなどに、こうした地域で地冷を導入すべきだと書き込むことは難しいのではないか。むしろ、国のエネルギーや熱供給の方針に基づいて、地方公共団体がそれぞれの地域で方針を立てて、総合計画などに書き込む、条例に定めることなどの方が良いのではないか。
    • これからの事業展開の話、重要な課題がいろいろなところに散らばっているのでまとめた方が良い。政策の提案として、世の中に問うような形とした方がわかり易い。
    • 誰がどこに対して、どのように行うのかとの点がはっきりしない。地冷が良いものであることは認識いただいているが、なぜ良いものが普及しないのか、重厚長大型のシステムが今後普及するのかとの点に答える内容が欲しい。
    • 消費者利益の点では、 導管 コストが高くなることに対して、税制、補助金、その他のプレミアムなど、もう少し具体的な記述が欲しい。また、 導管 敷設が最大の課題であり、電気・ガスに準じた形で敷設しやすくして欲しい。
    • 導管 敷設が非常に高くなる部分では、IT技術による遠方制御を行うものも含めて熱供給事業として進めて行けると良い。そのため、 導管 で必ずつながなければならないとする現行の熱供給事業法は変更してほしい。また、熱供給事業のお客さまとのIT化も考えられるので資料を修正されたい。
    • 報告書のまとめ方として、対象をある程度しぼって、戦略的なストーリーでまとめる方向で議論を進めたい。各論については、誰が行うのかはっきりしない。事業者の自助努力でどこまでできるのか、それに対して国や地方公共団体の助成策があればより効果が発揮されるのかなど、問題が混在しているので整理されたい。
    • 料金の割高感については、都市再開発との関連で、もう少し深堀して欲しい。第1回資料で問題提起しているので、それを消化していって欲しい。


    <都市計画等の枠組みによる確実な事業成立の仕組み(別紙1)について>

    • 必要事項の地区特性に関して、既に周辺にあるシステム特性との合致を考慮すれば、将来的な連結の可能性もでてくるので、こうした視点も盛り込まれたい。
    • 都市計画の担当者が地冷は特別だとして必ず計画すべきとの主旨か、そうなれば望ましいとの主旨なのか、背景などを加筆して欲しい。「確実に」との点を主張するには、社会的にいろいろなことが起こることを明確にするなど、加筆が必要である。
    • 都市計画のマスタープランに地冷を位置づけることは可能であるが、運用指針で「ねばならない」との扱いにはなっていない。運用指針は、地方公共団体への技術的助言としての位置づけであり、国から技術的助言以上に「ねばらならない」との位置づけを行うことは現状の枠組みでは難しい。
    • 一般に計画を立てて強く誘導していくには、高い社会的効用があることだけでは難しく、個別の判断に任せていては上手くいかないことをきちんと示すことが必要である。
    • 前回の社会的効用は、個別方式のなかでも管理が行われている建物との比較であり、一般的な個別方式である機械を設置しているだけの建物との比較ではより大きな効用となると考えられるため、今後データの収集が必要である。
    • これからの熱供給事業は、利点を集約したものとして事業を進めていけばよい。今ある事業が今後どのようになるのかとの点が大きな関心事ではないか。
    • 東京都の指導要綱は、地冷が成立するかどうかを一定規模以上のところでは必ず検討してもらうとの枠組みであり、地冷を導入するかどうかは、事業者の判断となる。地冷が成立することになれば、一定の環境性を行政が求めていくことになる。
    • 東京都では業務系での省エネが大きな課題であり、エネルギー供給者として管理のノウハウを活かしていく場があるのではないかと期待している。
    • 都市計画法上に、その他供給処理施設ではなく地域冷暖房ととして位置づけるとの検討をした際には、その他供給処理施設との運用で支障があるのかと問われた経緯があり、この機会に明確にできると良い。


    <需要家インセンティブの充実と料金の低廉化(別紙2)について>

    • 料金の割高感に関しては、料金の絶対水準がさがることと料金が低い水準であることを需要家に信頼してもらうことを区別する必要がある。また、非常に長期の契約となるので、料金制度のフレキシビリティが確保されていることも需要家にとっては重要である。
    • 料金の割高感を解消するためには、枠組み・仕組みづくりとして記述されているものだけで充分か。
    • 東京都において初期には行政の支援もあって導入例が増えたが、最近ではモデルだけでは上手くいかず、ある種の推進力が必要であるのが実態である。
    • フレキシビリティの点でも値下げ時には認可料金としないなど、お客さまに迷惑をかけない範囲での取り組みを考えたい。また、 導管 を使わない熱供給も、コスト低減に資するので対策として追記されたい。
    • 省エネ法の指定工場としての義務免除について、業務ビルでは空調分のエネルギー消費は1/2程度であるので、将来の姿としての位置づけになるのではないか。
    • 省エネ法では、現在、地冷からの熱を受ける建物のCEC(空調エネルギー消費係数)を計算する仕組みがない。今後、定量的なデータや計算方法を提示していくことで、受入側でも省エネ法上のインセンティブに働くための努力が必要である。
    • 骨格としては本日資料の方向でよいが、次回には文章化したもので納得いただたく必要がある。また、次回が最終回の予定であったが、場合によっては追加する。
  6. 次回の予定
    第5回委員会は10月2日(木)14:00又は15:00~(於:虎ノ門パストラル 6Fロゼ)

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