第6回 熱供給事業あり方・特別委員会議事要旨

第6回 熱供給事業あり方・特別委員会議事要旨

1.日時

平成15年11月18日(火)15:00~17:30

2.場所

虎ノ門パストラル「マグノリア」の間

3.出席者

委員

藤原委員長、高橋副委員長、鳥居委員、佐土原委員、下田委員、福田委員、大野委員、原口委員、
市毛委員、安田委員、渡辺委員(石塚委員は欠席)

オブザーバー
(経済産業省)都築課長補佐、二宮課長補佐(立岡室長代理)
(国土交通省)徳永企画専門官
(地方公共団体)渡辺課長(名古屋市)、浅野課長(札幌市)
(経済産業省 田中課長補佐、岩切課長補佐、東京都 佐野課長 は欠席)

【事務局】
小西、小久保、米澤、両角、関崎、和田、長屋、田中、山本、足立、平尾

4.議事概要

  1. 第5回特別委員会の議事要旨(案)の確認
  2. 第5回特別委員会のご指摘事項と今回の整理(案)
    事務局から、前回の指摘事項を受けて、今回の検討内容につながる部分は本日の資料に盛り込んでいる旨を説明。
  3. 第6回特別委員会の検討内容とスケジュールの確認
    事務局から、今後の地域冷暖房事業のあり方とそれに基づく施策体系、そして、今後の検討の進め方を中心に議論いただきたい旨を説明。
  4. 配付資料の説明
    事務局より、「今後の地域冷暖房事業のあり方及びあり方に基づく施策体系について(資料5、5別紙1、5別紙2、資料6、参考資料)」、「今後の検討の進め方(案)(資料7 P.183)」「報告書(案)(資料7)」について説明後、質疑応答、討議が行われた。
  5. 委員からのご意見、指摘事項
    <今後の地域冷暖房事業のあり方及びあり方に基づく施策体系について>
    • 最終的に世の中で有用と評価されるためには、消費者利益・経済性の確保が重要となる。事業者も発注方法や運転管理方法の改善などで低コスト化の努力をしているが、更なる消費者利益の向上には加入者側へのインセンティブ(税制優遇や補助等)が期待される。これにより加入率が高まれば、低コスト化にも結びついてくる。
    • 都市再生には既設ビルの再生も多い。これら既設ビルへの地域冷暖房の導入推進のためには、都市再生方針での位置づけやコスト支援などが有効である。
    • 事業者のはたすべき努力については、もっと書き込みが必要かもしれない。つまり、社会的効果をより高めるために、トップランナーシステムに近づき、追い越す努力を更に行う必要がある。なお、資料5の地域冷暖房事業の事業特性、特質の中に、専門的な省エネルギー管理の点が大きい事を入れてほしい。
    • 地域冷暖房は、計画・竣工後も事後評価できている点が個別システムとの大きな違いであり、この点からも個別システムを引っぱっていくことが出来ると期待している。そのためにも、社会的効用(コストベネフィット)を明確に示していく必要がある。また、今日の社会経済状況の中で、安定してエネルギーのベストミックスが図られることも効用の一つである。
    • 需要家が直接インセンティブを受けられるとよい。例えば、地域冷暖房への加入者に対し、CO2削減に寄与している点をメリットとして実感してもらえるようなしくみ(例えば、CO2削減計画の軽減など)も必要である。
    • 既設の地域冷暖房システムを高効率なシステムに転換していくこととともに、既成市街地への加入促進は、今後特に重要である。資料5の中で取り上げてはどうか。
    • 今後も、地域冷暖房事業の成立のためには、地方公共団体の協力が必要である。地方公共団体として地域冷暖房を導入した方がよいというしくみが出来るとよい。自治体がデベロッパーに対し、地域冷暖房の導入検討を要請し、デベロッパーが採算面等でやや困難と考える際に、社会的効用の点からも地域冷暖房導入に協力してもらえるよう指導するようなしくみが出来るとよい。
    • 関係者が一同に会したこのような場が重要であり、今後も引き続き具体的検討が行われるとよい。なお、ビジョンとしてより明るい方向性等が示されると更によかった。
    • 資料5 別紙1で示されている難易度Cは事業者の自主的努力による点、ある意味一番実現が難しいかもしれない。今後は、Cと位置づけられた方策を、事業者としてどのように実現していくかが課題ではないか。
    • 資料5 別紙2-5の都市計画の中で位置づけるフローについては、実際の都市計画制度と少し違うのではないか。マスタープランを受けて地域冷暖房推進地域の措置を行うが、 導管 や区域の都市計画決定とは別の流れで行われるのが一般的である。また、マスタープランにのらないで具体化する例もあり、いろいろな事業成立のケースを整理した方がよいだろう。
    • 資料5 別紙1について、ここまで整理できているので、更に公的セクターが行うもの、事業者が行うもの、そしてこれら方策のタイムスケジュール等が整理できるとよい。
    • 国との連携と同様に、今後は更に自治体との連携が重要になってくるだろう。協会として、自治体へのPRやトップランナー事業例の報告などを更に行うことが有効だろう。
    • 資料5 別紙2-1については、都市計画でやる事と指導要綱の中でやることを別けて整理してはどうか。また、注意書きとして、他の流れもある点を説明してはどうか。
    • 資料5 別紙2-5について、自治体が事業成立に向け、なぜ協力できなかったのか、その点をもっと分析してほしい。
    • 熱供給産業室としては、今回の特別委員会により、事業者としての地域冷暖房の普及・拡大への意欲や要望がわかり、有意義であった。施策への反映について必要性等を議論して、国として可能な方策について検討していきたい。


    <今後の検討の進め方、報告書(案)について(資料7)>

    • P.183の下から7行目、「・・・カスケード利用等」としてほしい。
    • P.183の中段、「・・需要家の最大の不満・・・」の表現は見直しが望ましい。「最大の」を削除する。
    • P.136の下2行目、「・・既存需要家に対する需要増大・・・」という表現は、省エネルギーの推進という国の基本姿勢と矛盾しないか。
    • 住宅については一律の基準の中で加入してもらわないと、事業として成り立たなくなる心配もある。消費者保護の観点からも、それを可能とするしくみが必要である。
  6. 閉会
    藤原委員長より挨拶が行われた。特別委員会は今回をもって最終とし、本日いただいたご意見は事務局で整理し、内容の修正等を行う。最終的な内容確認については委員長一任となった。また、事務局を代表して、小西専務理事より挨拶が行われた。

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